蟹のイリュージョン
ここ最近制作の仕事が山積みで
毎日の平均睡眠時間がほぼ3時間以下である・・・。
しかし、根性で貫徹した甲斐あってほぼ見通しが明るくなってきたので
今日はまとめて睡眠を取る予定だ。バンザイ!!
思えば中学生の頃からほとんど睡眠時間は3~4時間であった。
そして、時々死ぬほど眠るのだ。
とは言え、さすがにもう若くないのだからこんな無茶はやめようと反省中である。
そう言えば高校生の頃、徹夜が3日位続いた時
不思議な事が起こった・・・。
--- 自分の部屋の中に白い蟹がいたのだ。
しかも、その蟹は毛蟹ほどの大きさがあり
壁を這っていた・・・。
よくドラマでありえない光景を目にした主人公が
目を何度も開けたり閉じたりしてオーバーリアクションを取るが
実際にはドラマ以上にオーバーリアクションになった。
『目が疲れているからに違いない。』
瞼をマッサージしてよく見てみる。
やっぱり白い蟹は見える・・・。
『壁紙、蟹の模様だったっけ?』
周りを見渡すと、小花模様である。
『蟹のぬいぐるみ?』
そんなの買った覚えはない。
『・・・・・・・。』
もう、何も考えつかなかった。
怖かったが白い蟹に近づいて触ろうと思った。
近づけば近づくほど蟹であることに間違いなかった。
ちゃんと横に這っている・・・。
しかも真っ白だ。
やはり、触れなかった。
これはもう、ホントに白い蟹が迷い込んだのか
もしくは私がおかしくなったかのどちらかに違いない。
意を決して両親をたたき起こし
白い蟹の事を告げた。
午前3時頃だったと思う。
両親は私のただならぬ様子を察し部屋を見に来た。
「蟹?」
不思議がる両親は
「ほら、ここにいるでしょ?」と指差す私を驚愕の表情で見ながら後ずさりした・・・。
こんなにはっきり見えるのに他の人には見えないらしい。
もうどうでもよくなって眠ることにした。
そして、それっきり白い蟹は見えなくなった・・・。
その後、居間の本棚に「思春期の子育てQ&A」とか「思春期のこころとからだ」とかいう本が増えていったのを覚えている。
--- 実際は単なる寝不足による幻覚だったに違いない。
ところが、大人になった私はまたありえない蟹に遭遇したのだ。
しかも今回は旦那も一緒に見たのだから幻覚とは言えない・・・。
長男がまだ赤ん坊だった頃、夜中に熱を出したので救急の子供病院に連れて行った時のことだ。
夜中にもかかわらず、待合室はたくさんの子供や親でごった返していた。
私と旦那は長男が呼ばれるまで待合室の真ん中のソファーで座って待っていた。
ふと足元を見ると小さい蟹が這っている。
どこかから迷い込んだのだろう・・・。
何気なく薄暗い待合室の床を見渡すと
何か小さいものが無数に動いているのが見えた。
「蟹?」
半分眠りかけている旦那を起こして蟹の事を告げた。
「うわっ!すげ~。なんでこんなに蟹がおるんやろ?」
やはり私の幻覚ではないようだ。
ところが私たち以外の人は蟹に一切注目していなかった・・・。
「変だよね?」
私の言葉にめずらしく旦那も賛同した。
「誰も気付かんのか?」
忙しそうに歩き回っているナースも小さな子供も親たちも
誰もこんな異常事態に気付いていない様子なのだ。
しばらくして長男が診察室に呼ばれ
3人で先生のいる部屋に入ったが
そこにも蟹がチョロチョロしている。
私はもはや長男の容態より蟹に気を取られっぱなしであった。
意を決して「あの・・・蟹がたくさんいるんですね・・・。」と先生に問いかけたが
「は?」と言われ長男に聴診器を当てて診察が始まった。
幸い長男はたいした事もなく薬をもらって帰ったのだが
私たち夫婦にはかなり疑問が残った。
確かに蟹はいたのだ。
しかもうじゃうじゃいた。
けれど誰も蟹の事を話題にしておらず
まるで見えていないように思えた。
その病院は地元では有名な子供救急病院なので
いろんな人に「あの病院、待合室に蟹がたくさん出るよね?」と聞いてみたが
誰一人賛同する者はいなかった・・・。
やはり2人して幻を見たのか?
しかし、なんでいつも蟹なのだろう・・・????
bloomへようこそ
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